カマキリにとって「冬」はとても辛い季節です。
元々カマキリは夏から秋頃が活動の中心期で、
野生のカマキリの場合、冬になると多くのカマキリが
力尽き、長生きするカマキリでも、
冬を越すことができるカマキリは
ほんのごくわずかです。
カマキリ自体、寿命が1年も存在しない生き物なのです。
しかしながら、飼育環境下においては、カマキリが冬まで
生きていることもそれほど珍しいことではなく、
私も、何匹か、真冬まで飼育しているカマキリが
生きていたことは実際にあります。
では、冬場まで生きていたカマキリを
飼育する際には…
「冬」にカマキリを飼育する際には
何か注意するべきポイントはあるのでしょうか。
その点について、解説していきます。
冬場はカマキリには辛い季節
まず、大前提として「冬」という季節は
カマキリにとって非常につらい過酷な
季節であることを理解しておかなくてはいけません。
冬場の気温はカマキリにとって非常に
苦しい気温ですし、
飼育環境下の場合は関係ありませんが、
自然界で生きているカマキリにとっては
他の昆虫も続々とその寿命を終えていくために、
「餌」となる昆虫もいなくなってしまう…と、
いうのが現実です。
また、そもそもの寿命が、カマキリの場合は
1年とないので、冬場に突入すると、
どうしても身体の調子が悪くなってきたり、と、
”冬だからではなく、カマキリ自体の限界の
季節に入っているので、
(人間で言えば、もう80歳とか90歳とか
そのぐらいのイメージをしておくと
より分かりやすいかもしれません)
いつ、力尽きてしまってもおかしくない、
という現実もあります。
今、元気であるように見えても、
明日も同じように元気とは限らない…
そんな時期に突入している、ということは
覚えておく必要がありますし、
同時に「覚悟」もしておく必要があります。
基本的には「今まで通り」飼育していく
上で色々書きましたが
そうは言っても「だからどうすればいいの?」ということに
なると、基本的には「今まで通りに飼育していく」と、
いうのが答えになります。
後述の注意点は守ったほうが良いですが
”基本の部分”に関しては
冬になるまでカマキリを飼育してきたやり方と変わりません。
基本は”今までと同じように”飼育していくのです。
その上で、状況に応じて色々対処していくのが良いでしょう。
室温には注意する
カマキリを飼育している場所の”室温”には
できる限り注意をするようにしてください。
例えばベランダなどの寒い場所で飼育していると
カマキリにとって非常に大きな負担になってしまい、
寿命自体も縮んでしまう可能性があります。
室内であれば、人間が暮らしている部屋なら
冬場は暖房やストーブなどである程度暖かくなっていると
思いますから、気温的にはあまり問題はありませんが、
人間が生活していない寒い部屋にカマキリを置いておいたり、
室外のスぺースで飼育していたりする場合は、
カマキリの命にもかかわってくる問題なので、
カマキリに少しでも長生きしてもらいたい!という気持ちが
あるのであれば、
室温には注意することをおすすめします。
餌や水をあまり食べない・飲まない場合は?
冬場になってくると、
(早いと秋の終わりぐらいから雰囲気が変わってくることも)
カマキリ自体が次第に弱ってきますので、
だんだんと食欲自体が減ってきます。
そんな場合に関しても、
「どうせ食べないから、あげなくていいや」ではなく、
一応、”今まで通りのペース”で餌自体はあげようと
試してみてください。
多くの場合、食べずにそっぽを向かれてしまうことは
確かに多いのですが、
それでも、稀に急に食べてくれることもあります。
飼い主が餌を上げるのを諦めてしまったら
飼育されているカマキリはもう、
どうすることもできなくなってしまいますので、
その点はよく、しっかりと考えておくことが大切です。
また、水に関しては冬場になって
カマキリが弱ってきたような時期でも、
比較的飲むことが多く、
私が飼育したカマキリたちも、冬本番に突入して
弱ってしまった状態でも、
”水だけは”最後まで飲むようなカマキリも
多かったものです。
当然、水分を補給しなくなってしまうと
カマキリはみるみる弱ってしまいますし、
すぐに生きることができない状態に
なってしまいますので、
その点は、注意するようにしましょう。
餌を食べなくなったから、水も飲まない…
ということではありません。
ここを勘違いしてしまうと、カマキリの命を
より縮めることになってしまいますから、
注意するようにしましょう。
最終的にはどんなカマキリを弱ることは避けられない
飼育している側にとっては
辛いことですが、
最終的にはカマキリが弱っていくことを
”避ける”ことはできません。
どんなに注意深く、室温を調整したり、
カマキリにしっかりと餌や水をあげたりしていても、
それでも、最初に書いた通り、
肉体的に”限界”というものが存在します。
そのため、最後には、カマキリとの別れの瞬間が
やってくるのです。
ですが、カマキリも一生懸命生きているので、
最後までしっかりと見届け、
できる限り、一緒にいられる間は
飼い主の責任として、しっかりと飼育してあげましょう。
動きが少なくなってきたりしても、
場合によっては半月以上、生きているようなこともあります。
場合によっては「春」にギリギリたどり着くカマキリもいますが
それでもそこが”限界”なので、
短い残り時間、悔いのないように、カマキリとの時間を
楽しみましょう。