カマキリに寄生していることも多い
寄生虫として知られる
「ハリガネムシ」
では、そんなハリガネムシ自体の
寿命はいったいどのぐらいなのでしょうか。
カマキリ自体の寿命は
1年もなく、
春に孵化して、秋から冬ごろには
その一生を終えてしまいます。
カマキリに寄生するハリガネムシの寿命は
それよりも長いのか、短いのか。
詳しくお話をしていきましょう。
ハリガネムシ自体は人間にとっては
危険な存在ではありませんが、
カマキリからしてみれば、非常に危険な存在なのです。
ハリガネムシの寿命は…?
ハリガネムシの寿命としては
「およそ1年」です。
決して寿命が長いわけではありませんが
カマキリとその寿命を比べてみると
若干寿命が、ハリガネムシの方が長い傾向にある…
ということが分かります。
とはいえ、やはり秋から冬にかけて
その寿命を終えていく点に関しては
あまり変わらないので
「ほとんど似たようなもの」と考えておくと
分かりやすいのではないでしょうか。
人間のように何十年も何百年も
生きるような寄生虫ではありません
孵化するのは…?
ハリガネムシが孵化するのは、
春頃になります
基本的には4月から6月ごろと言われており、
このタイミングに関しても
カマキリとあまり変わりありません。
当然のことですが
全てのハリガネムシが同じ日に
一斉に孵化したりするわけではありませんから
ある程度時間差がありますが、
だいたい、この間に誕生して
ハリガネムシの一生が始まっていきます。
その後は、まず水棲生物に寄生します。
水中での孵化が中心になるため、
いきなりカマキリに寄生することはありません。
水中を優雅に泳いでいるカマキリなんて
存在しませんからね…(笑)
そのため、最初に寄生するのは
水に生息している生物となり、
いずれかの水棲生物に寄生後、
そのままの状態でしばらく過ごし、
やがて、カゲロウなどの、成長すると飛び立つ生き物に
寄生しているハリガネムシは、
そのままカゲロウの体内で、カゲロウと共に
水中から陸上に上がることになります。
そして、寄生した水棲生物が力つきるなりして
陸上に上がると、
今度はカマキリやカマドウマなどに寄生…
という流れになります。
これで、ようやく、このサイトでも取り上げている
カマキリにたどり着いた、ということになります
カマキリに寄生後は再び水へ
カマキリに寄生したあとは、
夏から秋にかけて、カマキリの体内
(カマキリ以外の昆虫に寄生した場合はその昆虫の体内)で
成長を続け、ハリガネムシ、というと
連想するような、紐のような、糸くずのような
形状に成長していきます。
そして、ハリガネムシが十分に成長したタイミングで、
ハリガネムシは宿主となるカマキリ(あるいはほかの昆虫)を
操り、水辺へと誘導し、
そして、宿主の身体から抜け出し、
そこで、産卵を行います。
ハリガネムシの一生はこんな感じですね。
沼や川などで生まれ、水棲生物に寄生し、陸上に飛び出し、
カマキリなどに寄生し、最後には、再び水に
戻っていく…そんなサイクルを繰り返しています。
もちろん、イレギュラーなパターンもあり、
例えば、飼育されているカマキリに寄生していた場合は
カマキリをどんなに操ったところで、
ハリガネムシのお目当ての水辺にたどり着くことは
困難ですし、
最終的に産卵をすることもできないまま
命を落とすことになります。
ハリガネムシが上手く一生を過ごせるかどうか、は
非常に色々な要素が絡んでくるので、
理想の人生(?)を送る、ということは
非常に難しいことなのです。
冬眠したりはしない
ハリガネムシは、冬眠などをして
成長したりすることはなく、
寿命は1年程度、と非常に短い寿命と
なっています。
カマキリもそうですが、
”何年も生きるんじゃないか”と思っていても
案外、その寿命はそれほど長くはない、
ということですね。
何年も生きるようなハリガネムシは
存在していません。
繁殖までのサイクルも早いために、
生物的にはそんなに長生きする必要はない、
ということで、寿命が短かったり
するのかもしれません。
寄生対象はいろいろ
ハリガネムシが寄生する対象は
1種類ではありません。
色々な昆虫・水棲生物が対象となっており、
陸上でも、必ずしもカマキリに
寄生するとは限りません。
他の昆虫(カマドウマなど)に寄生する可能性もあり、
ハリガネムシ=絶対にカマキリに寄生する、
というわけではない、ということになります。
ただ、寄生する対象がどの昆虫であったとしても、
基本的にハリガネムシの一生が大きく変わるような
ことはなく、寿命が伸びたりだとか、
そういうことも特になさそうです。
寿命自体はカマキリと似たような感じ
ハリガネムシの寿命自体は
大雑把に言ってしまうと「カマキリと似たような感じ」に
なります。
何年も生きたり、カマキリ以上に短い寿命だったり、
そういったことはない、ということですね。
人間から比べると非常に短い一生の中で
寄生を2回ほど行い、最終的には産卵する、
というハリガネムシの生き方は、
特殊と言えば特殊な感じもします。
長生きさせる方法は?
ハリガネムシを飼育するような人は
まずいないと思いますし、
長生きさせるためのデータのようなものも
見当たらないので、
こればっかりは何とも言えません。
ただ、もしもハリガネムシを長生きさせたいのであれば
宿主(カマキリなど)の健康に気を使ってあげる…
というあたりがポイントになってくるかと思います。