スジイリコカマキリは、日本に
生息しているカマキリの1種です。
しかしながら、オオカマキリやチョウセンカマキリのように
色々な場所で見かけることのできるカマキリとは
異なり、限られた範囲でしか見かけることが
できません。
一般的にカマキリと言えば
スジイリコカマキリのことを指すことはないでしょうし、
実際に見たことがない人がほとんどかと思います
(私自身も見たことがありません)
では、そんな貴重なカマキリ、
スジイリコカマキリとはどんなカマキリなのでしょうか。
解説していきたいと思います。
どこに生息しているの?
生息している場所は、非常に限られた
場所になっています。
一応、日本国内には生息しているようですが
その生息地は沖縄諸島と八重山諸島、となっており
かなり限られた地域でのみ見かけることが
できる個体となっています。
基本的にはコカマキリと同じような感じですが
特徴的な部分が見受けられる個体に
なっていますね。
なお、海外にこのカマキリがいるのかどうかに
ついては、あまり情報が得られなかったため、
不明です。
サイズはどのぐらい?
コカマキリ、とあるぐらいですから
オオカマキリだとか、そういうカマキリに
比べると、そのサイズは小さいです。
オス41 – 51mm、メス50 – 57mmとされており、
他の昆虫に比べれば大きいですが、
カマキリの中で言えば、あまり
大きなサイズではありません。
他の個体と同じように
メスの方が全体的に若干、オスより
大きいものが多いですね。
もちろん、サイズは、必ずしも
決まっているわけではありませんから
オスでも大きい個体もいますが
全体的にはメスの方が大きい、ということです。
生まれた直後は当然このサイズではなく
脱皮を繰り返すことによって
次第に成長していき、最終的には
夏頃に成虫へと変化します。
色は何色?
スジイリコカマキリの色は
「緑色」と「褐色」が確認されています。
どちらも、カマキリの中では
多い色になりますね。
どうしてもカマキリ=緑色のイメージを
持っている人も多いと思いますが
結構、緑色ではなくて
褐色のカマキリも多く、
私が飼育した(オオカマキリですが)カマキリたちの中にも
褐色の個体は半分ぐらいはいました。
スジイリコカマキリにも
その定番の色が2種類存在している、
ということになります。
餌は何を食べるの?
エサは、肉食の昆虫になりますので、
肉を食べます。
草を食べそうな雰囲気もあるかもしれませんが
カマキリは草食の昆虫ではないので、
草を食べることはなく、
生きている昆虫などを捕獲して食べます。
結構大きい昆虫でも捕獲して食べてしまうこともあるので
初めて見ると驚くかもしれませんね…
飼育環境下では
普通の肉(人間が食べるようなやつ)も食べてくれます。
が、カマキリは生きている昆虫しか
エサとして認識しないという習性があるので、
”カマキリの視界の前で、肉を動かしてあげる”ことが
大事になります。
”動いていれば”
生きていなくても”餌”と認識してくれるので
その肉を捕獲して食べてくれます。
なので、カマキリを飼育している際に
生きている昆虫以外を与える場合は
爪楊枝に肉を刺すなどして、それを
カマキリの近くで動かすように
していきましょう。
見分け方は?
基本的にはコカマキリと同じような感じなのですが
「前脚紋が違う」と言われており
普通のコカマキリとは異なる部分が存在する、
ということになります。
実際に見たことがないので、
はっきりとしたことは言えませんが、
その部分で見分けることができる、
ということですね…。
ただ、外からパッと見て、
あ!あれは!という感じのほどの違いではないので、
そういった意味では見分けが
難しいかもしれません。
(オオカマキリとハラビロカマキリのように
知っていれば遠目でもある程度判断できるレベルの
違いはありません)
寿命はどのぐらい?
寿命に関しては、
他のカマキリと基本的には同じような流れです。
カマキリが何年も生きる!と思っている人も
多いとは思うのですが
実際のところ、カマキリの寿命はそんなに
長寿ではなく、1年生きるのは難しいです。
カマキリの一生を簡単にまとめておくと、
まず最初に前年の秋ごろに
親が産卵し、その後は卵の状態のまま
冬~春を過ごします。
春になると孵化して、
ようやくこの時点で活動を
開始する形になりますが
小さい段階で命を落としてしまう個体も
多いので、せっかく生まれても
成虫にまでなることのできる個体は
わずかです。
夏にかけて何度か脱皮を繰り返して
成虫になっていき、
成虫になったあとは秋ごろに交尾活動などを
行い、メスはその後に産卵を行います。
その後は秋~冬にかけて
寿命を終えて、命を落としていく…というのが
カマキリの一生になっていますね。
1年も生きないので、
寿命としては非常に短い昆虫で
あると言えます。
時折、冬を乗り越えて
翌年の春まで生きるような個体も
存在していますが、
これはまれな存在で、
飼育環境下で温度や餌が
最適に保たれた状態かつ、
運が良いと生きる、という感じに
なりますね。
とは言え、どちらにせよ春が限界でしょう。
翌年の夏までカマキリが生き抜くことは
流石に非常に厳しいのではないかと思います。
スジイリコカマキリだけではなく、
これは他のカマキリにも言えることですね。